「健康診断で運動不足を指摘されてしまった」「お腹まわりが気になってきた」
こうした悩みを解決するため、運動をはじめられる方は多いのではないでしょうか。
健康を保つためには、運動だけでなく、運動の後に適切な栄養素を摂取することが大切です。
今回は、運動後にとりたい栄養素やおすすめの食事、食事のタイミングをご紹介します。
運動後にとりたい栄養素
運動後に摂りたい栄養素は、以下の3つが挙げられます。 ・タンパク質
・炭水化物(糖質)
・電解質(ミネラル) これらの栄養素は、それぞれどんな役割を果たすのでしょうか。
タンパク質
タンパク質には運動の際に傷めた筋肉を補修したり、筋肉をあらたに構築・増強する機能があります。
そのため、運動後にタンパク質が不足していると、筋肉の補修が遅れてしまったり、筋肉の成長が遅れてしまう可能性があります。
また、タンパク質には「動物性タンパク質」と「植物性タンパク質」の2種類があります。動物性タンパク質は、肉や魚介類、卵や乳製品といった動物性食品、植物性タンパク質は豆製品や穀類などの植物性食品に含まれています。
炭水化物(糖質)
運動時には、筋肉や肝臓に貯蓄されていたグリコーゲンがエネルギー源として使われます。このグリコーゲンが不足したままだと、筋肉を構築・増強することができなくなってしまいます。そのため、運動後に不足したグリコーゲンを、回復させる必要があるのです。
炭水化物や糖質は、グリコーゲンを補充するのにぴったりの栄養素です。ただし過度の摂取は肥満に繋がってしまうので、注意する必要があります。
また、糖質はクエン酸とともに摂取することでグリコーゲンの回復が早まり、タンパク質とともに摂取することで筋合成が促進されます。こういった栄養素を組み合わせて摂ることで、より運動の効果を高めることができるでしょう。
電解質(ミネラル)
電解質(ミネラル)はカルシウム、マグネシウム、亜鉛などの成分を指します。
カルシウムやマグネシウムは、骨の形成や筋肉の収縮に関わっています。これらが不足すると、筋肉の疲労回復に悪影響が引き起こされてしまいます。また、カルシウムばかり摂取するとマグネシウムが多く損失してしまう特性があるため、カルシウムを取る際はマグネシウムも取るように意識した方が良いでしょう。
亜鉛は、たんぱく質を合成して細胞の再生を助ける役割を果しています。亜鉛が不足すると運動によって傷ついた筋肉の補修が遅れてしまうと言われています。
運動後におすすめの食事
運動後にとりたい栄養素を3つ紹介してきました。 ここからは、運動後に適した食事をみていきましょう。
ゆで卵
ゆで卵には、運動後の疲弊した筋肉を補修したり、筋肉を新たに構築・増強するタンパク質が豊富に含まれています。一個だけでも十分な量のタンパク質を補給することができるので、運動後に多食できない方でも比較的摂取しやすい食事だと思われます。
また他の食事と比較して簡単に調理でき、手軽に持ち運びできるのも、嬉しいポイントです。
バナナ
バナナは、運動後に不足したグリコーゲンを補充するのに最適な食事の一つです。どこでも手軽にエネルギーを補給できるだけでなく、消化吸収も早いので、高負荷がかかったトレーニング後に摂取するのにも適しています。
ただし、多量に摂取してしまうと糖質の摂りすぎで逆効果となってしまうので、食べ過ぎには注意しましょう。
梅干しのおにぎり
おにぎりでも運動後に不足したグリコーゲンを補充することができます。梅干しに含まれているクエン酸を炭水化物と共に摂取することで、グリコーゲンの回復を早められるので、梅干しはおにぎりとの相性が良いです。また梅干しには、食欲増進の効果、運動後の発汗により抜け出た塩分を補える効果もあります。
食事のタイミングは?
食事を取るのに最適なタイミングは、「運動後45分以内」と言われています。この時間内に栄養素をしっかり摂取することで、消耗した筋肉やエネルギーをリカバリーすることができます。 適切な食事を適切なタイミングで。運動するだけでなく、運動後の食事の取り方にも一工夫をして、健康的な身体をつくっていきましょう。
参考文献
運動・トレーニング後の食事の仕方 | POWER PRODUCTION MAGAZINE(パワープロダクションマガジン) 筋トレするなら食事にもこだわれ! 筋トレ効果を最大化する食事の鉄則(森永製菓株式会社)