内臓脂肪の減少について
以前、「海藻と健康」と題して海藻が健康に与える効果を5つ紹介しました。 今回はその一つ、海藻が持つ効果のうち、「内臓脂肪減少」に着目していきます。
内臓脂肪って何? 皮下脂肪との違いは?
「内臓脂肪」という言葉は健康診断などの場面でよく聞くものだと思います。しかし、そもそも内臓脂肪とは何でしょうか。また、内臓脂肪と皮下脂肪の違いは何でしょうか。 「内臓脂肪型肥満は、腹腔内の腸間膜などに脂肪が過剰に蓄積しているタイプの肥満で、下半身よりもウェストまわりが大きくなるその体型から「リンゴ型肥満」とも呼ばれます。」 (厚生労働省e-ヘルスネット.https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/metabolic/ym-051.html 一方、「皮下脂肪型肥満は主に皮下組織に脂肪が蓄積するタイプの肥満で、お尻や太ももなど下半身の肉づきが良くなるその体型から、「洋ナシ型肥満」とも呼ばれます。」(厚生労働省e-ヘルスネット.https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/metabolic/ym-054.html
このように、内臓脂肪と皮下脂肪は異なる特徴を持ちます。したがって、それぞれの脂肪量を減らすためには、個別の対策をする必要があります。今回は特に、内臓脂肪に着目していきたいと思います。海藻には内臓脂肪減少効果がある!
あまり知られていませんが、海藻には内臓脂肪を減少させる効果があります。これは、海藻に含まれているフコキサンチンという成分が内臓脂肪に働きかけるからです。内臓脂肪を減らす効果があるフコキサンチンですが、このフコキサンチンはほとんど海藻にしか含まれていません。そのため、フコキサンチンを摂取するためには海藻を食べる必要があります。内臓脂肪減少はどのように起こるの?
それでは、フコキサンチンが内臓脂肪を減少させる機構はどのようなものでしょうか。 まず、海藻由来のフコキサンチンがUCP1というタンパク質を発現させます。(発現とは、遺伝子からタンパク質などが作られること。)すると、UCP1が内臓脂肪を分解し熱を発生させる反応を促進します。これによって、内臓脂肪が減少します。(前多,2012)内臓脂肪対策として海藻を摂取しよう!
毎日の食事に海藻をプラスするだけで、内臓脂肪を減らす効果が期待できます。 ほかにも内臓脂肪を減らす方法としてランニングやウォーキング、水泳などの有酸素運動がありますので、海藻を組み込んだ食習慣と有酸素運動の習慣を組み合わせて効果的に内臓脂肪を減らしましょう。 また、海藻にはほかにも良い効果があります。コラム2で紹介していますので、ぜひご確認ください。引用文献
厚生労働省e-ヘルスネット. 内臓脂肪型肥満内臓脂肪型肥満(閲覧2023-08-08) 厚生労働省e-ヘルスネット. 皮下脂肪型肥満
皮下脂肪型肥満(閲覧2023-08-08)
参考文献
前多隼人.海藻由来フコキサンチンの抗肥満作用.https://www.jstage.jst.go.jp/article/oleoscience/12/10/12_503/_pdf/-char/ja
(参考2023-08-08)