最近、酵素という言葉を耳にして「何だか健康よさそう」「ダイエットにもいいらしい」とイメージされる方も多いのではないでしょうか。 今回は、酵素が健康に良いと言われている理由をご紹介いたします。
酵素とは?
私達の身体では常にさまざまな成分が分解・合成などの化学反応が起きています。 その化学反応を起こす触媒が酵素と言われています。主に消化や吸収・代謝と大きな関わりがあり、消化酵素という言葉は学校の授業などでも耳にしたことはあるのではないでしょうか。 酵素といってもその種類は多くあり、そしてヒトの体内には約5,000種類の酵素があると言われています。そして、糖質を分解する酵素であるアミラーゼ、脂質を分解する酵素リパーゼなど、酵素それぞれに役割があります。 近年、体内フローラを整える事が心身の健康につながると報告されており、酵素ジュースや乳酸菌を多く含む発酵食品などの商品が多く販売されるようになりました。
酵素がダイエットサポートになると言われているのはなぜ?
近年のコンビニやファーストフードなどで手間をかけず手軽に食事ができるようになりました。しかし、糖質や脂質が多く含まれ、カロリー過多な食品が多く、摂取カロリーが消費カロリーを大きく上回りやすい状況です。 そこで酵素を取り入れる事で酵素の持つ「消化や代謝の働き」を活用し、消化をサポートすることでダイエットに繋がると言われています。
酵素を多く含む食材
では、酵素を多く含む食材はどのような物があるのでしょうか?
野菜
新鮮な野菜には多くの酵素が含まれています。特に小松菜・大根・人参・きゅうり・ブロッコリーなどが多く、大根はアミラーゼという糖質を分解する酵素があり、きゅうりはホスホリパーゼという脂質を分解する酵素が含まれています。焼き鯖やサンマの横にある大根おろしは魚の脂肪分が胃を覆う事で消化を滞らせてしまうのを防ぐ効果もあり、昔からの食べ合わせも酵素の観点から見てみると理に叶った物が多いです。
フルーツ
フルーツには、多くの酵素が含まれています。特にバナナ・リンゴ・キウイ・パイナップル・柑橘類が豊富でカロリーが低くダイエットにはオススメな食材です。またバナナにはアミラーゼが多く含まれるとともに、「幸せホルモン」と言われるセロトニンや、その材料となる必須アミノ酸のトリプトファンや生成を助けるビタミンB6も含まれ、日々の健康に役立つと言われています。グレープフルーツには脂質を分解するリパーゼが豊富に含まれています。
発酵食品
納豆・ヨーグルト・キムチ・チーズ・味噌・漬物などの発酵食品も多くの酵素を含んでいます。納豆に含まれるナットウキナーゼは血液の流れを良くする効果があると言われています。味噌の麹菌に含まれる酵素は栄養素を消化・吸収しやすいように分解する働きや腸内細菌中にある善玉菌のエサとなり、繁殖を促す働きがあると言われています。
酵素を効率的に摂るために
酵素の働きや多く含まれる食品について紹介しました。では、食べ物から酵素を効率良く摂取する為には何に気をつけるべきでしょうか?
熱を加えない
酵素はタンパク質を基に合成されているため、50~70℃程の熱が加わると酵素としての働きを失います。その為、料理をする際に工夫が必要です。例えば、お味噌汁を作る際には味噌を入れて煮立てず、最後に溶かす事で味噌に含まれる酵素の働きを保つ事ができます。また野菜も加熱せず、サラダや野菜ジュース・スムージーのような形で摂取する事が望ましいです。生での摂取がほとんどであるフルーツに手軽さを感じますが、果糖が含まれている為、血糖値が高い方は注意を払わなければなりません。調理方法も重要ですが、1つの食材に偏らず、バランスの良く摂取する心がけも大事です。
体内環境を整える
酵素を含む食品を取り入れても、身体が酵素を吸収する状態にないと無駄になってしまいます。特に生活リズムの崩れや運動不足、食生活の乱れなどは体内環境を悪化させ、栄養の吸収を妨げる恐れがあります。寝る前のスマホを止め、ゆっくりとストレッチを行う、お水をしっかりと飲む、間食の量を減らすなどの工夫だけでも体内環境を整える助けになります。ご自身の生活を改めて見直してみるのも良いかもしれません。
さいごに
古くから漬物や納豆などの発酵食品など日本人の食卓には酵素を含む食材が並んでいました。近年の食の欧米化や化学調味料の台頭により栄養バランスが崩れ、酵素を口にする機会が少ない傾向にあります。酵素はヒトの身体には必須な栄養素であり、現代社会では不足しやすい栄養素でもある為、酵素を補う事は、スッキリと健康に毎日を過ごす事に繋がります。