酵素ファスティングは、日頃負担がかかりがちな胃や腸を休め、腸内環境を改善することで、さまざまな便秘解消や美容、ダイエットなどの健康効果を期待する健康法のひとつです。この記事では、酵素ファスティングの効果や実践方法、注意点などをご紹介いたします。
酵素ファスティングとは?その効果は?
ファスティングの日本語訳は“断食”です。ファスティングはもともと宗教的な儀式や精神的修行の一部でしたが、近年では、その健康、美容、エイジングケアへの効果が注目を集めています。フランスでは「断食はメスのいらない手術である」、ドイツでは「断食で直せない病気は医師でも治せない」ということわざもあるほどです。
酵素ファスティングとは、最低限の栄養分(カロリー・ミネラル・ビタミン)を取りながら、酵素ドリンクを併用するファスティング法です。 酵素ファスティングで期待できる効果としては次のようなものがあります。
胃腸の健康サポート
ストレスでついつい食べ過ぎたり、脂っこいものを多く摂取したり、しっかり咀嚼しないという方は、日頃から胃腸に大きな負担がかかっています。固形物を中止することで、胃腸の負担が大幅に軽くなり、はたらきを正常に戻そうとします。
便通の悩みに
酵素ドリンクは、野菜や果物がもともと持っている酵母や乳酸菌が発酵反応を起こして作られます。つまり、多くの乳酸菌を含んでいます。乳酸菌は腸内では善玉菌として働くため、便通の悩みサポートが期待できます。
新陳代謝アップ・睡眠の質向上
「腸は第二の脳」と言われるように、腸と自律神経は密接に関係しています。食生活が乱れ腸の調子が悪くなると自律神経が乱れることがあります。また、ストレスで自律神経が乱されると胃腸の調子が悪くなる場合があります。酵素ドリンクにより腸内環境が整うと、自律神経にもいい影響を及ぼします。自律神経のバランスが整うと、体温調節がスムーズになるため、睡眠の質も高まることが期待できます。
酵素ファスティングのやり方
酵素ファスティングは、食事を酵素ドリンクに置き換えればよいわけですから、今すぐにでも始めることは可能です。しかし、酵素ファスティングの効果を最大限に引き出すためには、準備期と回復期を考慮にいれる必要があります。
準備期
食事は純和食を取ります。その際に使用する食材は「まごわやさしい」と覚えるとよいでしょう。
● ま:豆類(納豆・小豆・黒豆・グリーンピース・油揚げなど)
● ご:ごま(ごま・くるみ・栗・ぎんなん・松の実など)
● わ:わかめ(わかめ・ひじき・のり・昆布・もずくなど)
● や:野菜
● さ:魚
● し:しいたけ(まいたけ・しいたけ・えのき・なめこなどのキノコ類)
● い:いも(さつまいも・じゃがいも・こんにゃくなど)
これらの食材を使い栄養バランスの取れた食事を摂りましょう。また、しっかり咀嚼しましょう。せっかく栄養バランスの摂れた食事をとっても噛まずに飲み込んでしまっては胃腸に大きな負担がかかってしまいます。準備期では固形物は摂りますが、胃腸への負担を減らすことを意識しましょう。準備期の期間は2日が目安ですが、初心者の方は1日にしてもよいでしょう。
実践期
この期間は固形物を一切摂らず、水か酵素ドリンクのどちらかしか摂取しません。 摂取量は人にとってまちまちですので、「ファスティング飲用量の目安簡易計算ツール」などを用いてあなたに合った酵素ドリンク摂取量を導きだしましょう。必要摂取量を一気に飲み干すのではなく、1回30~60mLずつ、1日複数回に分けてこまめに摂りましょう。 人の体からは毎日2.5Lもの水分が失われていきます。酵素ドリンクだけでは到底この量をカバーできないので、足りない分は水を飲むことで補ってください。この際、水道水ではなく、ミネラルウォーターなど品質が保証された水を飲むのがよいでしょう。 この期間は質の高い睡眠をとることも重要です。就寝2時間目までに入浴を済ませる、就寝1時間前からブルーライトを発する機器(スマホ、パソコン、テレビなど)の使用をやめるなど睡眠の質をあげる行動をとりましょう。 実践期の期間も酵素ファスティングの熟練度によります。酵素ファスティングにチャレンジする際は、あなたの生活スタイルに合わせて無理なく実践できる期間を設けてください。初めての方は1日間からトライすることをおすすめします。
回復期
実践期が終わったら徐々に通常の生活に戻していきますが、急に戻すのはNGです。回復期1回目の食事は重湯がおすすめです。2回目以降はお粥や具なし味噌汁をしばらく続け、2日目から、「まごわやさしい」食材を使った固形食へと切り替えていきましょう。食事をする際は、胃腸に負担をかけないよう、しっかりと咀嚼された状態で胃腸へ送ることが非常に重要です。
ファスティングに向いていない人
ファスティングは日頃胃腸にかかるストレスをリセットすることで、健康効果が期待できる方法ですが、「体調不良の方」や「妊娠中・授乳中の方」は控えた方がよいでしょう。 また健康な方でもファスティングが合わない方がいらっしゃるので、事前に健康チェックをしてから行うようにしましょう。
まとめ
準備期と回復期をしっかり設けずにいきなり実施しても、十分な効果は発揮できません。「まごわやさしい」食材を意識し、また、無理なく行いましょう。このように、無理のない範囲で酵素ファスティングを取り入れたり、食生活に気を付けて胃腸に負担の少ない食べ物を意識的に選ぶことで、日々の健康や体づくりが期待できそうですね。