便秘気味による便通の乱れが続くと、体に悪影響を及ぼします。 そのため、できるだけ早く便通の乱れを解消することが望まれます。しかし、色んな方法を試したけれど、なかなか便通の乱れが解消しないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。 便秘気味になる原因のひとつに腸内環境の乱れが挙げられます。これまで色々な方法を試したにもかかわらず便通の乱れが解消されないのは、腸内環境の乱れを改善できていないことに原因がある可能性があります。腸内環境の乱れを引き起こす原因と対策について知り、あなたに適した解決法を見つけてください。
腸内環境について
腸内環境とは、腸内細菌のバランスのことを指します。腸内細菌は、善玉菌、悪玉菌、日和見菌の3種類に分けられます。善玉菌は、悪玉菌の繁殖を抑えて腸内環境を整えたり、腸の動きを活性化します。一方、悪玉菌は便やオナラの悪臭の原因となる腐敗物質や、体にとって有害な物質を産生します。また、日和見菌は、善玉菌が優勢の時は善玉菌の味方を、悪玉菌が優勢の時は悪玉菌の味方をします。腸内環境が整っているのは、善玉菌:悪玉菌:日和見菌の割合が2:1:7の時だと言われており、何らかの原因で悪玉菌が増えると、腸のはたらきが低下し、便通の乱れを引き起こします。
腸内環境が改善しない理由
腸内環境が乱れる原因は人によって様々です。また、原因は一つだとは限らず、多くの場合様々な要因が複雑に絡み合っています。では、どのような場合に腸内環境の乱れが生じるのか見ていきましょう。
ストレス
脳と体調は密接に関係しているため、精神的ストレスが腸内環境の乱れを引き起こすことがあります。ストレスを感じている人は、ストレスを感じていない人に比べて善玉菌が少なく、悪玉菌が多いことが報告されています。心がリラックスしている時は副交感神経が働き、腸は活発に動きます。一方、緊張している時は交感神経が働き、腸の機能は抑えられます。精神的ストレスが続くと交感神経が常に働くため、便秘気味になりやすくなります。これらのことから、持続的なストレスは腸内環境だけでなく運動機能にも悪影響を及ぼすと言えます。
ライフスタイルの乱れ
朝になると目が覚め、夜になると眠くなるのは体に「体内時計」と呼ばれるシステムが備わっているからです。腸内環境も体内時計と関係すると言われています。仕事や勉強、趣味などで夜遅くまで起きている、食事を摂るタイミングが日によってバラバラである、そもそも食事を取らない時もあるなど、不規則な生活を続けていると体内時計が狂い、それに伴い腸内環境も乱れる可能性があります。
偏食
腸内には1000種類以上、100兆個の腸内細菌が生息しており、多様性に富んでいます。腸内環境にとってその多様性が重要です。毎日似た食事を摂っていると、一部の腸内細菌しか増えず、バランスが崩れてしまいます。
お酒の飲みすぎ
適度な量のお酒は、血行を良くする、食欲をアップさせるなどのメリットがあります。一方、アルコールを摂りすぎると、毒性の強い腸内細菌が増え、腸内環境を乱すと報告されています。
運動不足
座った時間が長い人では、適度に運動している人に比べて善玉菌が少ないことが報告されています。デスクワークが中心の方は注意が必要です。
腸内環境を改善するにあたって必要なこと
腸内環境を改善するためには、原因に合わせて対処する必要があります。まずはあなたの生活環境や生活習慣に目を向け、便秘気味になる原因になりえるものを明らかにすることが便秘改善への第一歩です。
ストレスを溜め過ぎない
過度のストレスは腸内環境に悪影響を及ぼすため、ストレスを溜め過ぎないように心がけましょう。あなたに合った方法で息抜きをしてください。小腸で産生される「セロトニン」と呼ばれるホルモンは、気持ちを落ち着かせる作用があります。うまくストレスを軽減でき、腸内環境が正常な状態になれば、セロトニンの生成を促進され、さらにストレス軽減につなげるという良いループが形成されます。
食生活を見直す
バランスのよい食事を摂っていますか?似通った食事を続けていると一部の腸内細菌だけが増え、腸内細菌のバランスが崩れます。食物線維は十分に摂っていますか?食物繊維は便通をサポートしてくれます。十分に水分を摂っていますか?水分のほとんどが体内に吸収されるため、適切に水分を摂取していないとスッキリ感が感じられないことがあります。 水は2.5Lを目指して小まめに摂りましょう。食事する時、しっかり噛んでいますか?しっかり咀嚼している人は毎日スッキリしている方が多いと報告されています。バランスのよい食事をしっかり咀嚼しながら頂くことが重要です。
適度に運動を取り入れる
適度な運動は血流を促し、腸の動きを良くする効果が期待できます。また、ストレスを軽減することで自律神経が整い、腸内環境の改善につながります。しかし、なかなか運動する時間が取れないという方もいらっしゃるでしょう。そういう方には腸もみがオススメです。腸は皮膚の上から直接刺激することで働きを良くすることが可能です。朝と夜の2回行うのがよいとされています。適度な運動や腸もみによって、自律神経バランスが整い、腸内環境へのよい影響も期待できます。