季節の変わり目に体調不良になりやすい原因と対策

体調があまりよくな女性
私たちの身体は、日々の環境の変化に敏感に反応しています。 特に季節の変わり目やライフスタイルの変化に影響を受けやすいと言われています。 寒暖差や気圧変動が激しくなる季節の変わり目には、「なんだか疲れやすい」「雨が降ると頭痛がする」「ダルくてやる気がでない」などの症状を感じる人が多いようです。 この記事では、季節の変わり目に体調不良が起きる原因や対策について探っていきます。

どうして季節の変わり目になると体調不良になるの?

季節の変わり目とはいつを指すのでしょうか。 朝晩の温度差が月平均で5度以上ある時期を季節の変わり目と呼びます。 具体的には3〜4月、6〜7月、9〜11月です。 この時期は気温差が激しいだけでなく、入学・就職・転勤などライフスタイルの変化も重なりがちです。環境変化による心身の負荷に身体が順応しきれず、不調が起きるのです。 2019年の20歳〜59歳の働く男女1000人を対象にした調査では、「季節の変わり目に体調を崩しやすい」と答えた人は全体の56.1%でした。 精神面でも「季節の変わり目にストレスを感じやすい」と答えた人は47.7%。 約半数の人が心身ともに、季節の変わり目に不調を訴えていることが分かります。 ※出典:季節の変わり目の体調変化に関する調査2019【株式会社養命酒調べ】より では、その体調不良の原因を探っていきましょう。

寒暖差

自律神経は私たちの呼吸・体温調節・血液循環などをつかさどる大切な機能です。 自律神経には日中の活動時やストレスを感じている時に優勢になる交感神経と、夜間や休息時に優勢になる副交感神経があります。活動を活発にする神経と、心身を休めさせメンテナンスを行う神経。この2つの神経がバランスをとりながら、私たちの身体を常にコントロールしているのです。 寒暖差が激しいと体温調節や発汗のため、交感神経の働きが活発になります。通常より多くのエネルギーを体は必要とします。そのため、疲れやすくなったり、ダルさを感じたりするのです。

気圧変動

高気圧と低気圧が激しく入れ替わる季節の変わり目。気圧の変化の激しさに、身体はストレスを感じ、自律神経のバランスが乱れるのです。 特に低気圧時には、血中酸素濃度も下がるので注意が必要です。

ライフスタイルの変化によるストレス

季節の変わり目は、入学・就職・転勤などライフスタイルが大きく変化する時期でもあります。慣れない生活に緊張やストレスを感じやすくなり、自律神経にも大きな負荷がかかるのです。

季節の変わり目になりやすい症状

寒暖差やストレスによって自律神経が乱れると、さまざまな症状を引き起こします。 どのような症状が出やすくなるのでしょうか。

疲労感

気温差によるエネルギー消費過多や自律神経の乱れから代謝が低下すると、疲れやすくなります。 また、自律神経のバランスが崩れると、日中に副交感神経が優位になることがあります。 その結果、眠気に襲われたりだるさを感じたりするのです。 体だけでなく心に影響が出ることもあります。やる気がでないなど、情緒不安定になりがちですから、精神面のケアも忘れずに。

アレルギー症状

春先や初秋の花粉症はよく知られていますが、自律神経の乱れからさまざまなアレルギー症状が出ることがあります。 「寒暖差アレルギー」と呼ばれ、くしゃみ・鼻水・鼻づまりなどの症状が起きます。鼻粘膜の血管の収縮や拡張のはたらきが低下するためです。 これ以外にも、目や肌のかゆみ・喘息などの症状が出ることがあります。

頭痛

頭痛は、気圧変動により自律神経が乱れると起きやすくなります。 症状はさまざまで、頭全体が痛む「緊張型頭痛」、片側が痛くなる「片頭痛」などがあります。

めまい

頭痛と同じく、めまいも気圧変動によって起きやすい症状です。 気圧の変化が激しい梅雨や台風シーズンには、特に多くなると言われています。

肌トラブル

秋から冬にかけては肌荒れに十分注意しましょう。夏の紫外線のダメージの後に、乾いた空気が肌に乾燥やかゆみを誘発させるからです。  寒暖差による自律神経の乱れによって、肌のバリア機能が低下することも肌トラブルの原因になります。

季節の変わり目にできること

季節の変わり目には、自律神経を安定させることが大切です。 具体的に何をしたら良いか、対策方法をみていきましょう。

規則正しい栄養バランスの良い食事

規則正しい食事をしっかりとることが大切です。エネルギー代謝を高め、体調を安定させることができます。 栄養面では、自律神経を整える食べ物を積極的にとりましょう。 豚肉・カツオ・鰻・大豆などに多く含まれるビタミンB群は、神経の働きを正常に保ち、疲労回復を促します。 海藻類に多く含まれるマグネシウムや、ニンニクや長ネギなどに含まれるアリシンを一緒に摂取すると、ビタミンBの働きを助けてくれます。 干し椎茸やキウイフルーツなどに含まれるマンガン、乳製品や小魚に含まれるカルシウムは、神経過敏を和らげる働きがありますので、ストレスが溜まったときなどにおすすめです。 体内に溜まった疲労物質の代謝を促すクエン酸や、腸内環境を整える発酵食品や酵素の多い食べ物も良いでしょう。

適度な運動

自律神経の乱れは運動不足からも起こります。ウォーキングやストレッチなど適度な運動を行いましょう。血流を促し、筋肉に溜まった疲労物質の代謝を促進します。 屋外での運動時に日光を浴びると、「セロトニン」という神経伝達物質が活性化し、自律神経を整えてくれます。ストレス解消や集中力を高める効果も期待できます。

質の良い睡眠

規則正しい質の良い睡眠とってください。深い眠りによって、副交感神経が優位に働き、身体をしっかり修復してくれます。 40度以下のお湯でバスタブにゆったり15~20分浸かることは、質の良い睡眠につながります。 NGなのは、寝る前にパソコンやスマートフォンを見ること。視神経から強い刺激を受けないようにしてください。寝る直前にとる食事や、コーヒーなどカフェインの多い飲み物も控えるべきです。これらは脳を覚醒させる作用があり、睡眠障害につながることがあります。

リラクゼーション

ストレスの多い時期こそ、心身をリラックスさせる時間を持ち、副交感神経を優位にさせましょう。 マッサージをしたり、好きな心地よい音楽を聴いたり、心身を休めることを心がけてください。鎮静作用のあるラベンダーなどのアロマを活用するのも良いでしょう。

最後に

季節の変わり目に体調不良が起きる原因や対策をご紹介しました。 日々の健康生活のヒントになれば幸いです。